Regulations台湾PIFガイド

台湾への化粧品輸出と
規制の全体像

台湾で化粧品を販売するには、台湾の輸入業者が「化粧品衛生安全管理法」にもとづき、販売・贈与・陳列・試用の前に製品登録とPIFの整備を済ませ、中国語表示を付ける必要があります。あわせて、製造場所はGMPに、成分は禁止・限量のルールに適合していなければなりません。日本側の主な役割は、成分・製造・試験の資料とGMPの証明を用意することです。

規制の全体像

台湾の化粧品は「化粧品衛生安全管理法」で管理されています。主な条文は2019年7月1日、表示に関する第7条などは2021年7月1日に施行されました。中央の主管機関は衛生福利部で(第2条)、製品登録システムや手引きは食品薬物管理署(TFDA)が運用しています。

規制内容根拠主に対応する人
製品登録販売前に、製品名・全成分・製造場所などをTFDAのシステムで登録する第4条台湾の輸入業者
PIF安全性に関する16項目の資料を整備・保管する。第16項に安全性評価者が署名第4条台湾の輸入業者(資料の多くは日本側が提供)
中国語表示品名、全成分、輸入業者の名称・住所などを外箱または容器に表示する第7条台湾の輸入業者・ブランド
GMP製造・包装を行う場所が「化粧品優良製造準則」に適合する。海外の製造場所にも準用第8条製造元(台湾でラベルを貼る場合は輸入業者も)
成分禁止成分を配合しない。限量成分の上限・注意表示を守る第6条製造元・ブランド
広告虚偽・誇大な内容や、医療効能をうたう表示・宣伝・広告の禁止第10条台湾の輸入業者・ブランド
市販後仕入れ・出荷記録の保存、重篤な副作用の報告、違反品の回収第11・12・17条台湾の輸入業者
条文番号は化粧品衛生安全管理法のもの。

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「特定用途化粧品」の許可制は終了しています

日焼け止めや染毛剤などに必要だった許可証(查驗登記)の制度は、法の施行から5年で適用が停止し(第5条第7項)、2024年7月1日に終了しました。現在は、すべての化粧品が「製品登録+PIF」で管理されています。

輸出から販売開始までの流れ

  1. 輸入業者を決め、役割分担を確認する(日本側・輸入業者)
  2. 製品の区分と成分を確認する(日本側・安全性評価者)
  3. 中国語表示の内容と貼付方法を決める(ブランド・輸入業者)
  4. 資料を集め、PIFを作成する(日本側・輸入業者・安全性評価者)
  5. 輸出・輸入通関(輸入業者)
  6. 製品登録:手数料を納付し、案件が完了すれば登録完了(輸入業者)
  7. 販売・贈与・陳列・試用の開始

通関と製品登録の順序は前後しても構いませんが、7の前に製品登録とPIFの両方を完了しておく必要があります。

日本側で準備すること

日本のメーカーやブランドは台湾の法律上の義務者ではありませんが、輸入業者が登録とPIFを完成させるには日本側の資料が欠かせません。

  • 台湾の輸入業者を決める:製品登録システムは海外企業のアカウント開設を認めていません。輸入業者が複数いる場合は、それぞれが登録します。
  • 台湾で化粧品に当たるかを確認する:化粧品の定義(第3条)と「化粧品範圍及種類表」で判断し、医薬品に当たるものは対象外です。TFDAに「化粧品產品屬性管理查詢」を申請することもできます(審査費NT$3,500)。判断の例はPIFが必要な製品をご覧ください。
  • 全成分と配合量をそろえる:製品登録では、使用上限のある成分の配合量(%)も登録します(製品登録弁法第4条)。
  • 成分を台湾の基準と照合する(成分の規制)
  • GMPの証明を用意する:ISO 22716の認証書などの証明書、または宣誓書です。工程を分けて製造する場合は、すべての製造場所と工程の情報が必要です(管理弁法第3条第3項)。
  • 製造場所の名称・住所を英語で用意する:登録システムには日本語で入力できません(TFDA Q&A)。
  • PIFの技術資料:製造工程、製品規格、各種試験報告書、原料の規格書など。日本語の資料には中国語または英語の訳が必要です(16項目と必要書類)。
  • 「薬用」などの表示:日本で医薬部外品として「薬用」などの表示が義務づけられている製品は、台湾で「本產品屬化粧品,不具醫療效能。」の文言を加えて表示します(衛授食字第1081605206號)。

日禾科研では、日本語の資料の確認から第16項への署名までを日本語で担当しています(サービス内容)。

台湾の輸入業者が行うこと

  • 製品登録とPIFの整備:PIFは表示した輸入業者の住所で、最終上市日の翌日から5年以上保管します(管理弁法第7条・第8条)。
  • 中国語表示:台湾でラベルを貼る場合は、その場所がGMPの対象になります(GMP)。
  • 仕入れ・出荷の記録:ロット番号、数量、輸入申告の日付と番号、出荷先などを5年以上保存します(第11条、化粧品產品供應來源及流向資料管理辦法 第2条・第4条)。
  • 重篤な副作用などの報告:知った日から15日以内にTFDAのシステムで報告します(第12条、化粧品嚴重不良反應及衛生安全危害通報辦法 第2条)。
  • 広告の管理と回収:表示・広告を第10条に合わせ、違反品の回収などに対応します(第17条)。

製品登録

工場登録が免除される製造場所の固形手作り石けんを除き、すべての化粧品が対象です(衛授食字第1131604395號)。有効期間は3年で、満了前3か月以内に延長します(製品登録弁法第8条)。手数料は2026年7月1日以降1件NT$800です(化粧品行政規費收費標準 第2条)。成分を変更したときは再登録が必要で(同弁法第7条)、禁止成分を含む製品は登録できません(第9条)。

製品登録の手続きと、PIFとの違いを詳しく見る

PIF(化粧品製品情報ファイル)

PIFは、製品の安全性を説明する16項目の資料一式で、中国語または英語で作成します。当局への提出や審査はなく、輸入業者が保管して査察時に提示します。第16項には、資格要件を満たす安全性評価者の署名が必要です(管理弁法第3条・第4条)。

PIFは2024年7月1日から3段階で義務化され、2026年7月1日の第3段階で、工場登録が免除される製造場所の固形手作り石けんを除くすべての化粧品が対象になりました(衛授食字第1131604608號)。詳しくは台湾PIFの要点、実施スケジュールと対象品目、16項目と必要書類をご覧ください。

中国語表示

外箱または容器に、次の事項を明瞭に表示します(第7条第1項)。表示は中国語または国際的に通用する記号で行い、全成分は英語でも構いません(同条第2項)。

  • 品名、用途、使用方法と保存方法、内容量、全成分、使用上の注意
  • 製造業者または輸入業者の名称・住所・電話番号、輸入品の原産地
  • 製造日・有効期間・保存期限(定められた組み合わせ)、ロット番号
  • その他、公告で定められた事項

限量成分の表に注意事項が定められている成分は、その注意事項も表示します。詳しくは中国語表示のルールをご覧ください。

GMP(化粧品優良製造準則)

化粧品の製造場所は「化粧品優良製造準則」(GMP)に適合する必要があり、海外の製造場所にも準用されます(第8条第2項・第3項)。準則はISO 22716にもとづく内容です(準則第1条)。適用はPIFと同じ3段階で広がり、2026年7月1日からは、工場登録が免除される固形手作り石けんの製造業者を除くすべての製造場所が対象です(衛授食字第1131103147號)。

日本の製造元

  • 製品登録では、製造場所ごとにGMPへの適合状況を登録します。TFDAの証明書、ISO 22716など他機関の証明書、自己宣言のいずれかです(TFDA Q&A)。PIFの第5項にも、証明書または宣誓書を綴じ込みます。
  • 法律上、TFDAは海外の製造場所でも現地検査を行うことができます(第8条第2項・第3項)。

台湾で中国語ラベルを貼る・小分けする場合

  • 「製造場所」には包装作業を行う場所も含まれ(施行細則第4条)、包装作業には充填・小分けと表示(ラベル貼付)が含まれます(準則第2条)。
  • TFDAは、輸入化粧品に中国語表示を付ける作業場所は包装作業の一環でGMPの対象になるとして、「化粧品加中文標示作業場所GMP查檢表」を示しています(FDA品字第1091103683號)。
  • 包装作業だけを行う場所は工場登録が免除されますが、「化粧品製造工廠設廠標準」の関連規定には適合が必要です。製品登録では、この包装作業場所も登録します。
  • 台湾で小分けした輸入化粧品には「臺灣分裝」の旨を表示します(衛授食字第1081603424號)。表示済みの製品をギフトセットに組み合わせるだけの場所は、製造場所に当たりません(施行細則第4条第2項)。

成分の規制

化粧品には、水銀、鉛、その他公告された禁止成分を配合できません(技術的に避けられない無害な微量残留を除く。第6条第1項)。刺激や感作などを防ぐための使用制限もあります(同条第2項・第3項)。具体的な成分は、次の公告で定められています。

公告の名称内容
化粧品禁止使用成分表配合できない成分
化粧品成分使用限制表上限・使用範囲・注意表示が定められた成分(美白成分、染毛剤・パーマ剤の成分など)
化粧品防腐劑成分名稱及使用限制表防腐剤として使用できる成分と上限
化粧品色素成分使用限制表使用できる色素と使用範囲
化粧品防曬劑成分使用限制表紫外線防止成分と上限(2024年7月1日施行)
出典:TFDA「化粧品衛生安全管理法暨相關法規彙編」(2024年12月)ほか。最新の内容はTFDAの公告で確認してください。

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  • 紫外線防止成分は、表の成分か、EU・米国・日本などで使用規定が公告された成分をその規定どおりに使う場合に限られます。SPFなどを表示する場合は、根拠資料をPIFに収載します(同表の注記)。
  • 「化粧品成分使用限制表」の改正が2027年10月1日に施行されます。同年9月30日までに製造・輸入した製品は、表示した保存期限まで販売できます(衛授食字第1141616549號)。

輸入通関との関係

製品登録とPIFは、輸入(通関)の条件ではありません。法律が求めているのは、供給・販売・贈与・公開陳列・試用提供の前に完了していることです(第4条第1項)。TFDAも、製品登録は販売の前に行うもので、通関の可否とは関係がないとしています(製品登録Q&A)。ただし、サンプル配布や展示会での陳列も贈与・公開陳列に当たるため、その前に両方が必要です。

なお、法第14条と「輸入化粧品邊境查驗辦法」は、中央主管機関が公告した種類・品目に限り、輸入前の検査(查驗)を求める仕組みです。対象は公告で決まるため、輸出前に該当する公告がないかを確認してください。

罰則

違反の内容根拠過料
製品登録・PIFがない、内容が事実と異なる、表示義務(第7条)に違反する第23条第1項NT$1万〜100万(違反のたびに科すことができる)
PIFの項目・保管方法・保管場所などの不備第23条第1項第3号改善命令に従わない場合に、同上
禁止成分の配合や限量成分の基準違反、工場登録・設廠標準の違反、GMPの違反(改善命令に従わない場合)第22条第1項NT$2万〜500万
虚偽・誇大な表示・宣伝・広告第20条第1項NT$4万〜20万
医療効能をうたう表示・宣伝・広告第20条第1項NT$60万〜500万
出典:化粧品衛生安全管理法 第20条・第22条・第23条。

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違反の程度が重大な場合は、営業停止(1か月〜1年)や製品登録の取消しなどもあります(第22条・第23条)。登録やPIFがない化粧品などは供給・販売ができず(第16条)、回収や没収・廃棄の対象にもなりえます(第17条・第18条)。

出典

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の案件に対する法的助言ではありません。法令の解釈・運用は変更されることがあります。

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