Columnコラム
配合量を開示したくない場合、台湾PIFはどう進める?

台湾PIFでは、全成分と各成分の配合量が必須の項目で、安全性評価者も配合量をもとに評価を行うため、配合量を一切開示せずにPIFを完成させることはできません。ただし、TFDAは処方などの資料を製造元のシステムやクラウドに保管することを認めています。秘密保持契約や受け渡しの方法と組み合わせれば、配合量を台湾の輸入業者に渡さずに進めることも可能です。
なぜ配合量の開示が必要なのか
台湾の「化粧品產品資訊檔案管理辦法」第3条は、PIFの第3項として「全成分の名称と各成分の配合量」を定めています。安全性評価者は、この配合量をもとに各成分の暴露量を計算し、安全性を評価します。
また、PIFは原則として製品に表示された製造業者または輸入業者の住所で保管することが定められています(同第8条)。香料を使う場合も、香料の組成に関する資料を、製造業者・輸入業者と安全性評価者に提供する必要があります。
製品登録の段階でも一部の配合量が必要です
台湾で使用量の上限が定められた成分は、製品登録(オンライン届出)の際にも配合量の登録が必要です。登録は台湾の輸入業者が行うため、該当する成分の配合量は輸入業者に伝える必要があります。
法令の範囲内でとれる対策
三者間で秘密保持契約を結ぶ
日本の製造元(またはブランド)、台湾の輸入業者、安全性評価者の三者で秘密保持契約(NDA)を結び、配合量の利用目的と開示範囲を契約で限定します。
製造元から安全性評価者へ直接送る
処方などの機密資料は、ブランドや輸入業者を経由せず、製造元から安全性評価者へ直接送ることもできます。やりとりに関わる人数を減らすことで、情報が広がるリスクを抑えられます。
処方の資料を製造元のシステムやクラウドに置く
TFDAの2026年6月版「化粧品產品資訊檔案常見問題Q&A」は、製造元が営業秘密を理由に全成分などの情報を輸入業者に開示しにくい場合、処方や技術資料を電子データとして製造元の情報システムやクラウドに保管してよいとしています。条件は、当局の査察の際に、輸入業者が資料を提示または閲覧させられることです。実務では、査察時の閲覧方法と対応期限を、輸入業者と書面で取り決めておくことをおすすめします。
保管の方法を分ける
TFDAの「化粧品產品資訊檔案製作入門手冊」は、PIFの資料を複数のデータベースに分けて保管し、どこに何があるかを示す参照表を備える方法を認めています。配合量を含む資料を電子データで分けて保管し、閲覧できる人を限定する方法が考えられます。ただし、査察の際に提示・閲覧できる状態にしておく必要があります。
事前に確認しておきたいこと
- 輸入業者側で、配合量を閲覧できる人を誰にするか
- 電子データの保管場所と、閲覧の管理方法
- 契約終了後や、輸入業者が変わった場合の資料の扱い
どこまで対応できるかは、輸入業者様の体制によっても変わります。資料を送る前の段階で、関係者の間で取り決めておくことが大切です。
まとめ
配合量はPIFに欠かせない情報ですが、開示の相手と範囲は工夫次第で絞り込めます。「開示しない」ではなく「必要な相手に、必要な範囲で、適切に管理して開示する」と考えると、進め方が見えてきます。
出典:化粧品產品資訊檔案管理辦法、化粧品產品登錄辦法、TFDA「化粧品產品資訊檔案製作指引」「入門手冊」(2023年10月)、TFDA「化粧品產品資訊檔案常見問題Q&A」(2026年6月24日版)